「日本でパンダが見たい」と思って調べてみたら、情報がバラバラで混乱した——という方も多いのではないでしょうか。
実は現在の日本の状況は、多くの方がイメージしているものと大きく異なります。上野動物園のパンダや和歌山のアドベンチャーワールドのパンダが記憶に残っている方も多いですが、返還が進んだ結果、日本でパンダを見られる状況は変わっています。
結論からお伝えすると、2025年現在、日本国内でジャイアントパンダを飼育している動物園・施設はゼロです。古い情報のまま計画を立てると誤解が生じやすいため、最新の状況を正しく把握しておくことが大切です。
この記事では、現在の日本のパンダ事情・返還の仕組み・過去に会えた代表的な施設・パンダの歴史まで、正確でわかりやすい情報をまとめました。
注意:パンダの飼育状況は随時変わる可能性があります。訪問を検討する場合は必ず各施設の公式サイトや最新ニュースで情報を確認してください。
日本でパンダがいる動物園は現在あるのか

最新の飼育状況
現在の日本ではパンダがいる動物園はゼロである
2025年時点において、日本国内でジャイアントパンダを飼育している施設はありません。上野動物園・アドベンチャーワールド(和歌山)・神戸市立王子動物園など、かつてパンダを飼育していた施設のパンダはすべて中国へ返還されています。
「日本にはパンダがいる」というイメージは、長年にわたる飼育の歴史が強く印象に残っているためですが、現時点では実際に日本国内でパンダに会うことはできません。
過去のイメージとの違いを正しく理解することが大切
テレビ番組・書籍・SNSなどでは過去のパンダの映像や写真が現在も多く流通しています。そのため「まだいるはず」と思ってしまうことは自然なことですが、現在の状況を正確に把握しないと計画が無駄になってしまいます。旅行や訪問を検討する際は、最新情報の確認が必須です。
なぜ今も検索され続けているのか
上野動物園や和歌山の印象が強く残っている
上野動物園のシャンシャン・アドベンチャーワールドの楓浜など、日本生まれのパンダへの愛着は今も多くの方の記憶に強く残っています。「あのパンダは今どこにいるのか」「また日本で会えないのか」という関心が、検索の動機になっています。
ニュースや返還報道で関心が高まりやすい
パンダの返還・誕生・来日交渉といったニュースが報じられるたびに、「日本でパンダに会えるかどうか」への関心が高まります。このような報道をきっかけに現状を調べる方が多く、検索数が上昇しやすい話題です。
日本のパンダはどこから来ていたのか

パンダ来日の基本的な仕組み
中国の保護研究施設などで繁殖された個体が来ていた
日本に来ていたパンダは、中国の繁殖研究施設(成都ジャイアントパンダ繁育研究基地など)で生まれ育てられた個体です。ジャイアントパンダは野生での数が非常に少なく、野生の個体がそのまま海外に移送されることはありません。
野生のパンダがそのまま来日するわけではない
ジャイアントパンダは中国が厳格に管理する希少動物であり、野生個体の海外移送は行われていません。日本に来ていたのは、中国の繁殖プログラムの中で生まれた個体を、保護研究の一環として貸し出したものです。
パンダは贈与ではなく貸与が基本
現在のパンダはレンタルの形で受け入れられていた
現代の国際的なパンダの取り扱いは「貸与(レンタル)」が基本です。日本の各施設は中国からパンダを借り受け、一定期間飼育した後に返還する契約を結んでいます。飼育期間中でも、パンダの所有権は中国側にあります。
所有権は中国側にある
たとえ日本国内で生まれた赤ちゃんパンダであっても、その所有権は中国にあります。日本生まれのシャンシャンや楓浜が中国に返還されたのも、この契約に基づくものです。「日本生まれ=日本のもの」ではない点が、パンダの貸与制度の重要なポイントです。
特別な存在だったカンカンとランラン
1972年の来日は贈与だった
1972年、日中国交正常化を記念して中国から贈られたカンカン(康康)とランラン(蘭蘭)は、「贈与」によって来日したパンダです。この2頭が上野動物園に到着したとき、日本中に空前のパンダブームが起きました。
その後は国際ルールの変化で貸与方式に変わった
1980年代以降、ジャイアントパンダの国際的な保護規制が強化され、贈与という形でのパンダ提供は行われなくなりました。それ以降のパンダはすべて貸与方式となり、返還が前提の受け入れに変わっています。
日本からパンダがいなくなった理由

返還が行われる背景
繁殖や保護計画に基づいて中国へ戻る契約になっている
貸与されたパンダは、一定の飼育期間を終えた後または中国側の繁殖計画のタイミングで返還されます。これは契約上の取り決めであり、各施設がパンダを「手放した」のではなく、最初から返還が前提の受け入れだったといえます。
日本生まれの個体も返還対象になる
日本で生まれたシャンシャン(上野)・楓浜(和歌山)なども、所有権が中国にあるため返還の対象となります。誕生時に大きな話題になっても、最終的には中国に移ることが最初から決まっていた存在です。
返還の仕組みを知っておきたい
高齢個体や繁殖計画との関係がある
返還のタイミングは、パンダの年齢・繁殖の可能性・中国側の施設の受け入れ状況などによって判断されます。繁殖適齢期を迎えた若い個体は繁殖計画に組み込まれることが多く、中国の専門施設での管理が優先されます。
中国には専門的な研究施設や飼育体制が整っている
成都のジャイアントパンダ繁育研究基地をはじめ、中国にはパンダの保護・研究・繁殖に特化した世界最高水準の施設があります。返還されたパンダがより良い環境で生活できるという観点からも、返還は合理的な選択といえます。
近年の返還の流れ
上野や和歌山の個体が順次返還された
上野動物園のシャンシャンは2023年2月に中国に返還されました。アドベンチャーワールドでは2024年に複数のパンダが返還され、その後も返還が続きました。神戸市立王子動物園のタンタンも返還されており、こうした一連の流れによって日本国内のパンダの数がゼロになりました。
その結果として日本国内の飼育数がゼロになった
各施設での返還が相次いだ結果、2025年現在は日本国内でパンダを飼育している施設がない状態になっています。これは一時的な状況である可能性もありますが、現時点では事実として把握しておく必要があります。
日本でパンダに会えた代表的な動物園
恩賜上野動物園(東京都・台東区)
日本でパンダといえば最も知名度が高い存在である
東京・上野にある恩賜上野動物園は、日本で最も歴史のある動物園(1882年開園)であり、日本のパンダ文化の象徴的な場所です。1972年のカンカン・ランラン来日以来、上野のパンダは日本における「パンダ=上野」というイメージを確立しました。
長年にわたり多くの人に親しまれてきた
都心のアクセスしやすい立地もあり、年間数百万人が訪れる上野動物園のパンダ館は、子どもから大人まで幅広い層に愛されてきました。パンダの誕生・成長・返還のたびに大きな話題となり、国民的な関心を集めてきた存在です。
アドベンチャーワールド(和歌山県・白浜町)
和歌山を代表するパンダの聖地として知られていた
和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドは、上野動物園と並ぶ「日本のパンダの聖地」として知られていました。パンダを飼育していた時期は、同時に複数頭を飼育しており、中国以外の施設としては世界有数のパンダ飼育数を誇っていた施設です。
中国以外では世界有数の繁殖実績を持っていた
アドベンチャーワールドはジャイアントパンダの繁殖に特に力を入れており、日本での誕生数が非常に多かった施設として国際的にも高く評価されていました。その繁殖実績は中国以外の施設としては世界トップクラスと言われていました。
上野動物園とパンダの歴史
上野動物園が特別視される理由
日本初の動物園として象徴性が高い
1882年に開園した上野動物園は日本で最も歴史のある動物園であり、その知名度と立地の良さから「動物園といえば上野」というイメージが定着しています。パンダ飼育においても、日本で最も長くパンダと関わり続けた施設のひとつです。
パンダ人気の中心として長く注目されてきた
1972年の来日以来50年以上にわたり、上野動物園のパンダは日本のパンダ人気を牽引してきました。パンダが生まれるたびに名前募集・誕生会・公開初日の行列など、社会的なイベントとして報道されてきた歴史があります。
上野で親しまれた歴代パンダ
リーリーとシンシン
2011年に来日したオスのリーリー(力力)とメスのシンシン(真真)は、上野動物園で長年親しまれたカップルです。2頭の間にはシャンシャン・シャオシャオ・レイレイが生まれており、上野パンダの歴史に大きな足跡を残しました。リーリーとシンシンも2024年に返還されています。
シャンシャン
2017年6月に上野動物園で生まれたメスのシャンシャン(香香)は、日本中に空前のパンダブームを巻き起こした存在です。誕生から公開まで半年間の待機期間があり、公開初日には整理券が配布されるほどの大人気となりました。2023年2月に中国へ返還されています。
シャオシャオとレイレイ
2021年6月に生まれた双子のオス・シャオシャオ(暁暁)とメス・レイレイ(蕾蕾)も、上野動物園で人気を集めた存在です。2頭は2024年に中国へ返還されました。
上野のパンダ展示の魅力
都心でパンダを見られる特別感があった
JR上野駅・東京メトロ各線から徒歩圏内という抜群のアクセスから、「ちょっと上野までパンダを見に行く」という気軽さが上野動物園の強みでした。旅行のついでに寄れる立地が、国内外の観光客を集める大きな要因でした。
家族連れや観光客に人気の存在だった
子連れファミリー・カップル・外国人観光客まで、幅広い層がパンダを目的に上野動物園を訪れていました。パンダ館前の行列は日常的な光景で、上野の風物詩のひとつでもありました。
アドベンチャーワールドとパンダの歴史
和歌山でパンダが人気だった理由
広いテーマパーク型施設で一日楽しめた
アドベンチャーワールドは動物園・水族館・遊園地・サファリパークを合わせ持つ大型テーマパーク施設です。パンダを目的に訪れても、施設全体で一日たっぷり楽しめる構成になっており、パンダ以外の体験も含めた満足度の高い観光地でした。
パンダを身近に感じやすい環境が整っていた
上野動物園がパンダ館での展示が中心だったのに対し、アドベンチャーワールドでは屋外のパンダ牧場での観覧も充実しており、パンダが自然に近い環境で過ごす姿を観察しやすかったのが人気の理由のひとつでした。
繁殖実績の大きさ
中国以外で世界一の赤ちゃんパンダ誕生数を記録した
アドベンチャーワールドは長年にわたりジャイアントパンダの繁殖に取り組み、中国国外の施設としては世界最多水準のパンダ誕生数を記録した施設です。その繁殖ノウハウは中国の研究機関からも評価されており、国際的な保護活動においても重要な役割を果たしてきました。
永明を中心とした繁殖の歴史があった
アドベンチャーワールドの繁殖を支えてきたオスパンダ・永明(えいめい)は、多くの子パンダの父親となったことで知られています。2024年に中国へ返還されましたが、日本のパンダ繁殖史において特別な存在として記憶されています。
和歌山で親しまれた主なパンダ
良浜(らうひん)
2000年にアドベンチャーワールドで生まれたメスのパンダで、多くの子パンダを産んだ「名お母さんパンダ」として知られています。長年にわたって和歌山のパンダを代表する存在でした。
結浜(ゆいひん)
2016年に生まれたメスのパンダで、かわいらしい容姿と愛嬌のある行動で人気を集めました。2022年に中国へ返還されています。
彩浜(さいひん)
2018年生まれのメスで、白浜のパンダ繁殖を続けた個体のひとつです。返還後も中国での生活を続けています。
楓浜(ふうひん)
2020年に生まれ、丸みのある顔と甘えた表情で特に人気を集めたメスのパンダです。2024年に中国へ返還されています。楓浜の返還は日本中で大きく報道され、多くのファンが惜しむ声を上げました。
日本のパンダの歴史と現状については、nippon.comのパンダに関する解説記事も詳しくまとめられています。
パンダの貸与にはどのくらいの費用がかかるのか
年間約1億円の保全協力費
単なるレンタル料ではなく保護活動に使われる
パンダを受け入れる施設は、中国側に年間約100万ドル(約1億円前後)の保全協力費を支払います。この費用は単なる「レンタル料」ではなく、中国国内のパンダ保護研究・野生生息地の整備・繁殖プログラムへの支援として使われます。
繁殖研究や野生復帰支援にもつながる
保全協力費は、ジャイアントパンダの野生復帰プロジェクトや、生息地である中国の山地環境の保全活動にも充てられています。パンダを受け入れることは、動物の展示にとどまらず、国際的な保護活動への参加という意味も持っています。
それでもパンダが特別な存在である理由
集客力が非常に大きい
年間約1億円という費用は大きいですが、パンダ飼育施設の入場者数への影響は絶大です。シャンシャン公開後の上野動物園は年間の入場者数が大幅に増加し、費用対効果として十分成立していたとされています。
地域や観光への経済効果も高い
アドベンチャーワールドがある白浜町は、パンダによる観光効果が地域経済に大きく貢献しています。宿泊・飲食・土産物など周辺産業への波及効果も含めると、パンダの経済的な価値は飼育コストをはるかに上回るとも言われています。
パンダの貸与制度についての詳しい解説は、パンダ情報サイトの貸与と所有権に関する解説ページも参考になります。
日本でパンダがいない今に知っておきたいこと
現在の状況を正しく理解する
今は日本国内で実際に見られる施設がない
2025年現在、日本国内にジャイアントパンダを飼育している施設はありません。「上野に行けばパンダが見られる」「アドベンチャーワールドに行けば会える」という情報は、現時点では正しくありません。
古い情報のまま計画すると誤解しやすい
インターネット上には過去の飼育情報がそのまま残っているケースがあります。「パンダがいる動物園 日本」で検索しても、古い記事がヒットすることがあるため、訪問前に必ず各施設の公式サイトや最新ニュースを確認することが必要です。
今後の注目ポイント
新たな貸与や来日の可能性に関心が集まりやすい
日本へのパンダ再来日については、さまざまな報道や交渉の話題が定期的に浮上しています。日中関係や保護計画の状況次第では、今後新たな貸与協定が結ばれる可能性もゼロではありません。
最新情報を確認することが大切になる
パンダの飼育状況・来日計画・返還スケジュールは状況が変化しやすいため、最新のニュースや各施設の公式発表を定期的に確認することをおすすめします。
パンダに関する最新情報は、HugKumのパンダ解説記事や時事通信のパンダ特集ページなども随時情報を発信しています。気になる方はこれらのサイトもあわせてチェックしておくと良いでしょう。
動物園や自然体験スポットの情報と合わせて、韓国旅行や海外への旅行も計画中の方は、海外旅行の基本情報をまとめたこちらのサイトも旅の参考にしてみてください。
日本でパンダがいる動物園について知るには過去と現在の両方を押さえよう
現在はゼロでも日本のパンダ人気は非常に大きかった
2025年現在は飼育施設がゼロという状況ですが、長年にわたって日本はパンダ飼育において世界でも有数の国でした。上野でのカンカン・ランラン来日から50年以上、日本のパンダ文化は多くの人の心に根付いています。
上野とアドベンチャーワールドは特に重要な存在だった
日本のパンダ史を語る上で欠かせない2施設が、上野動物園とアドベンチャーワールドです。前者は「都心でパンダに会える」という特別感で、後者は「世界屈指の繁殖実績」で、それぞれ異なる形で日本のパンダ文化を支えてきました。
返還の仕組みや歴史を知るとニュースの理解も深まりやすい
パンダの貸与制度・返還の仕組み・保全協力費の意味を知っておくと、今後のパンダ関連のニュースをより深く理解できるようになります。「なぜ返還されるのか」「また来日する可能性はあるのか」という疑問への答えも、この記事を読むことで整理できます。
🐼 日本のパンダ事情、まずこの3つを押さえよう
① 2025年現在、日本国内でパンダを見られる施設はない
② パンダは「贈与」ではなく「貸与」が基本で、所有権は中国側にある
③ 今後の来日情報は各施設の公式発表や最新ニュースで確認する

